未知の失敗を予想し、実行する勇気を得るには?
人間は失敗を恐れる生き物です。
目標を設定する際に代わりになる手段(代替案)、すなわち
「プランB(バックアッププラン)」
を取り入れるとより物事に取り組みやすくなるでしょう。
プランBのメリットは例えば3つ考えられます。
- 計画の実行中に起こりうるリスクや問題を事前に予測することで、失敗への恐怖心を緩和させます。
- 実行中のリスクや問題を予測するということは、行動前と目標達成を繋ぐ「過程」を明確にイメージできるということです。
- 視野が広がる、建設的な考えができるようになる。「これが失敗するとしたら、どの方法で目標に近づけるだろう?」と考えることで知恵が身につく。
しかし、予測すること・選択肢を多く見つけられることは裏を返せば「まだ問題があるに違いない・まだ発見できていない選択肢があるに違いない」と
考えすぎて取り組むことを先延ばしにしてしまう危険性も含まれています。そのことを念頭に置いておくことをおすすめします。
このプランB(バックアッププラン)は当然ですが実行することを前提としたものなのです。
失敗を楽しむためのプランB
プランBとはバックアッププランのことです。
目標達成のための方法、手段が実行困難になってしまった、あるいは失敗してしまった時に準備しておいた代替案のことです。
プランBのBとは「バックアップ」の頭文字であり、計画における方法の数を指すものではありません。
計画にプランBを取り入れることで実際の失敗や問題に対応することができ、かつ実行前に感じるリスク・失敗への恐怖心を緩和する効果があります。
計画・準備を一つだけ考えそれを実行したとしましょう。それだけで達成できたらとても素晴らしいことで、
実際に皆さんもそういった経験があると思います。
しかし、私達の生きる現実という世界では不確実なことが多く、また常に変化を繰り返しています。
未来を完璧に予測することは不可能であり、一方で合理的に考えたはずなのに上手くいかない場面に遭遇する可能性は充分に考えられます。
それは天気予報が外れるように、私たちが過ごす日常というものは予測が難しいことだらけのもので構成されています。
よって、達成に繋がる道は複数あった方が途中の障害にも柔軟に対応できるということです。
もしプランAが失敗したらプランBを実行する
準備しておいた一つだけのプランがもし失敗してしまったら、精神がダメージを受け混乱や迷いや焦りを感じる場合があります。
それは計画における問題を想定していなかったことが一つの要因だと考えられます。
プランを実行中に障害に行き当たり、別のプランを考えることで計画そのものが進まなくなってしまうことは、私自身も多く経験しました。
人は数時間後や数日後など近い未来で起こりうる問題においては解決できたりします。
それは、すぐ先の未来は予測しやすく明確にイメージしやすいからです。
例えば、椅子に座りすぐ目の前の机に乗っているりんごを手に取る。手を伸ばしりんごを手に取るまでの過程で起こりうる問題というのは考える方が難しい。
けれど、机が何十キロ何百キロ離れていれば、そして机の場所が街のどこかにあるとしたら、りんごを手に取るまでの道のりにはいくつもの問題の可能性があるように感じる。
りんごという目標までの距離と道のりに起こりうるトラブルを想像し、道順を描くことの有用性が理解できます。
プランBを考えすぎると迷いになる
プランBは、見えない問題を予測し事前に対策を練っておくことで安心感を高める効果があるように思います。
しかし、迷いがちな人、決断や意識的な行動が苦手な人はこの準備段階で考えすぎて時間を消費してしまいます。
どの程度の失敗・リスクなら許容できるかということも考慮し、あくまで
「実行すること」
を前提としなければ形にすらなりません。
本当は私も迷いがちな人も実行中の失敗が怖いのではなく、実行することさえできないという失敗が怖いはずです。
よくよく考えてみると、行動から逃げてもまた別の行動に移るだけです。その別の行動に満足感が得られないからこそ苦しむことになります。
進捗の状況「0%」から逃げることさえできればいいという、消極的な考えでも結果として進むことこそ最も重要なことです。
サメですがプランBで生き残りました
タイトルを見ると異世界転生ものアニメみたい・・。突然ですが鮫の仲間である
「マモンツキテンジクザメ」
をご存知でしょうか?
実はこの鮫にも「プランB」が備わっています。
バックアップ、すなわち自身に起こりうる問題に対応するための生まれながらの機能。それは、
- 臓器機能の停止。
- 魚でありながらヒレで歩く。
この2つです。
主に浅瀬に生息し、一般的に知られている「ホオジロザメ」のような強さ、巨体。
こういったイメージからは程遠く、鮫にしては脆弱に見え小さい。
一見すると弱々しく感じられるこの「マモンツキテンジクザメ」は
他の魚とのエサの奪い合い、競争から脱するために戦場を別の場所に移しました。
そこは、他の同じエサを捕食する魚が来られないような浅い海。
潮の満ち引きによって水位が変化する海で、鮫は水を失う危険と引き換えにエサを求めます。
魚は水とともに進化してきて、それを失うことは死を意味するはずです。
したがって皆が泳ぐことができる「海」という領域で競争をしなければなりません。
この鮫は領域から脱することにしました。魚の本能に刻まれている「水を失う恐怖」に抗い、浅瀬にいるエサを他者に邪魔されず捕獲するために。
しかし、水がなければ生きられないのは鮫も同じです。
潮の満ち引きによって浅瀬になるということは、もちろんそれによってマモンツキテンジクザメの狩場の水位も変化します。
海ではなく、もはやほとんど陸となってしまい鮫が取り残された時に、その機能のスイッチはオンになります。
「臓器機能の停止」
必要のない臓器を停止し、その分のエネルギーを必要な臓器へ配分し長時間生命を維持するためのものです。そして、
「ヒレを使っての歩行」
それでも水位が戻らない場合は発達したヒレを自在に動かし、ほふく前進のように水のある場所まで進みます。
こうしてこの鮫はこの2つの機能で難を逃れることができます。
生物の目的は生きることであり、それが達成されるよう行動をします。
浅瀬でエサを探しているうちにもしかしたら水位が減り危険になるかもしれない。
「臓器を停止して待っても戻らなかった場合は?」
こうして自分が鮫になったつもりになると、これもプランBの一つであるかのように感じますね。
生物の進化と、私達人間を当てはめると意外にも共通点があり、親近感が沸いてきます。
世界に散らばっている共通点を探すことで、新たな発想の手助けとなってくれる可能性も充分にありそうです。